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Fan Fiction 「特別な一日」(1)

突然ですが銀英伝の二次創作です。 よく某SNSなどで見かける年齢操作ネタ(青年とショタ)を自分でもやってみたいと思ったらこうなりましたemoji ショタラインハルトと青年キルヒアイスですが、需要のないギャグ物です。そして腐(やおい)でもありませんw(自分ではそのつもり) 何かとキャラ崩壊気味ですので、心の広い方よろしくお願いします; 


 
 ある日のリンベルク・シュトラーゼにある下宿での夕食を終えた後、キルヒアイスは今日も女主人であるフーバー夫人とクーリヒ夫人の世間話を振り切れなかった。

「赤毛さん、ちょっといい?貰って欲しいものがあるのよ」
「最近はやっているのよ。『願いごとがかなう石』なんですって」
「あなたたちが無事に帰ってこられるように、お守りになると思って買ってきたのよ」
 とりとめのないよもやま話にそんな事を言われて、食後のコーヒーカップを置いたテーブルの上に置かれたのはきれいな箱に入れられた小さな水晶だった。なんでも近頃有名になった白魔術をするという占い師ー自称魔女ーが祈りを込めた石なのだそうだ。この石をお守りに持っていれば出征しても無事に帰ってこられると、もっぱらの評判なのだと。占いの類は女性たちー貴族の女性のあいだには特にーに人気があるのだった。そういったお守りの話はキルヒアイスも小耳に挟んだことはある。こういうお守りにも流行りすたりがあるもので、今は「魔女の水晶」がはやっているというわけだった。
「赤毛さん、金髪さんの分も買ってきたわ」
「こういう物は可愛いらしいお嬢さんから貰いたいでしょうけど、私たちで我慢してね」
 笑いを混じえてフーバー夫人は言った。かっぷくの良い彼女は、いかにもおせっかい好きなおばさんという見た目の印象のままの人となりである。
「そういえば、あなたたち恋人はできないの? 赤毛さんはまだ?」
「え、ええ・・・。もう、そろそろ部屋で休みますね。今日もごちそうさまでした」
 話があらぬほうへ向かいかけたので、強引にキルヒアイスは話を変えて椅子から立ち上がった。
(できるも何も、一年のほとんどを戦場で過ごす生活なのに・・・。それに、そもそも僕は恋人なんて作るつもりもないんだ)
 そちらの方向へ思いが及びそうになると胸がちくりと痛むのを感じ、キルヒアイスはあわてて思考を目の前のフラウ達に引き戻した。もっとも、今までろくに女性の来客は、彼らのささやかな下宿にはなかったし、家族の訪問さえも少ない自分たちを、フラウ達たちなりに気遣ってくれているのだとも察する彼である。
 ラインハルトはとうていこの類のものを喜ぶとは思えないが、フラウ達の気持ちはありがたくいただくことにした。
 礼をいってもそこからさらにひとしきり話が続いて、切りあげるタイミングを見計らうのも一苦労である。それでもようやく夫人たち二人のおしゃべりから解放されて二階に上がると、さっそく先に居間に戻っていたラインハルトにくだんの石を見せてみる。
 フラウに言われた通りの説明を言うと、
「何の変哲もない水晶が、そんな話を付けたら高く売れるのだな。まるでフェザーンの商人のやり口じゃないか」
と、予想通りの反応である。
「私もそう思いますし、お守りなど信じませんが、フラウが私たちを気遣ってくれた物ですし。断るのもどうかと思いましたので・・・」
「買うほうに罪はないんだろうが、そんな善良な人々の純粋な気持ちにつけこむ商売をするほうが問題だな。おれはそういうのは嫌いだ」
 くつろいだ部屋着で足を組み、ラインハルトはわずらわしげに少し伸びた金色の前髪を指でもて遊んだ。あまり興味のない話題の時にする癖だと、キルヒアイスはすでに知っている動作である。
「おれはそんなのは信じないが、まあ、くれた物をすぐ捨てるわけにもいかないな。キルヒアイスが持っていてくれ」
 あっさりと言うと、テーブルに置いていた本を取って、開いたページに目を落とす。これでこの話は終わりということなのだろう。もっとも、これが愛する姉がくれた物だったとしたら、たとえ道端の石であろうと大事にするだろうから現金なものである。それはキルヒアイスも同様なのだが。 


 その後先に寝室へとひきとったラインハルトの背中を見送って、キルヒアイスは先刻の夫人たちとの会話を反芻する。いつのまにか話が「金髪さん」のことになり、二人の過去の話をいろいろと聞かれていたのだった。
「金髪さんの子供の頃はさぞかし可愛い子だったんでしょうね! 今度立体写真を見せてくれない?」
 よくよく考えてみるとキルヒアイスとラインハルトは十歳の時に出会ったのだから、もちろんそれ以降のラインハルトのことは途切れることなく知っている。だがそれより以前のラインハルトはどうだったのだろう。姉のアンネローゼが撮った写真を何度か見せてもらったことはある。それこそ天使のように愛らしい容姿だった。写真でそうなのだから実物はさらにもっと愛らしいこどもだったのに違いない。
 そう思うと姉弟なのだから当然なのだが、自分よりも昔からお互いを知っているアンネローゼとラインハルトが羨ましいなと思うのであった。
「幼いラインハルトさまに、一度でいいから会ってみたいものだな・・・」
 キルヒアイスは思わずつぶやいた。
 そのとき石が妖しく鈍く光ったのにキルヒアイスは気がついていなかった。

(続)

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プロフィール

えりん

Author:えりん
塚銀を観て出戻り、急速にオタク&腐女子化がすすみ二次までやらかしています。宝塚にもハマり宙組雪組を中心に見ていますが、永遠の観劇ビギナー。二次ネタは腐やNL等雑多ですのでご注意ください。

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